ナンパ男がしつこい件について
「私が独自に組んだ得点で合格の基準を作りました」
そんなことってありなの?
混乱が頭の中でぐるぐるとする。
「今年は仕事として頼まれました。検討を祈っています」
それだけ言うと、いなくなった。
…?
「それでは…試験の説明をしていきます」
今はとにかく集中だ、集中。
責任者らしい人がどんどん多くの説明をしていく。
「我が校の合格者を下げるために頼みました」
…そういうことか。
今年に限ってっていうか…
椋太郎に愚直でもなんでも言えばいいや。
なんて軽く考えて問題用紙を受け取る。
夏受けた学校よりも問題用紙は薄い。
よかった。
「それでは、開始してください」
その声に反応して全員が問題用紙を開いた。