ナンパ男がしつこい件について




その日は椋太郎がはやく仕事が終わったらしくて一緒に帰れた。



いつもの駅で待つ、椋太郎。



あたしが駅から見えるところに来るとすぐに気がつく、椋太郎。





「お疲れ」



「お疲れ様」




椋太郎があたしの頭を優しく撫でる。





「どうかした?」




「いや、かわいいなって」



それ、口癖かなんかですか?




呆れたように思いながら、手を繋ぐ。





「唯花ちゃん普通に俺の手、繋ぐようになったね」




「だから何」




「前は手、叩かれた記憶あるから」




いつの話をしてるんだ!



「あ、そうだ。巧さんのとこいつ行く?」




「んー…来週くらい?」



意外とすぐ行くんだね、とか言った椋太郎。







< 403 / 468 >

この作品をシェア

pagetop