ナンパ男がしつこい件について
「俺はあっちらへん調べるから、一通り調べたらここに戻ってこい!」
「わかった!」
椋太郎…一生会わないとか、本気にしてないよね?
いっつもあたしのこと追いかけてきて、
ナンパしてきて。
だから今度も椋太郎は来てくれる…よね。
必死に涙を手で拭く。
「椋太郎!」
思いっきり叫んでも、注目を浴びるだけだった。
おんなじような茶髪ばかり。
でも、体格や顔が全然違う。
椋太郎の背中、ずっと見てきたから。
絶対に見つけられる。
全力で走る。
家に帰った…?そんなわけないか。