ナンパ男がしつこい件について
椋太郎の車は何も変わっていない。
「ちょっと遠いから飛ばすけどいい?」
「全然大丈夫!」
椋太郎が笑った。
「よっしゃ行くぞ!」
「おう!」
風が気持ちいいから、窓を開ける。
片手は…椋太郎と握って。
少しだけ泣き出しそうになりながらも、それを堪える。
椋太郎の体温が心地いい。
すごく、幸せだ…
どうして帰ってきたのか
今まで何をしてきたのか
それはこれから聞けばいいと思った。
今は………文化祭の時にした約束を果たそう。