ナンパ男がしつこい件について
深海魚のコーナーを出ると、海水魚のコーナーへと移る。
「あ、ニモだー」
正確にはクマノミの方へと走る。
「…小学生料金にすればよかった」
「その小声聞こえてるからね椋太郎」
わーってる、という雑な返事。
「か、かわいい…」
「…ちっちゃい」
あたしが屈んでる後ろから、見てくる。
頭に顎を乗せてきた。
「顎、重いから」
「全体重かけてるからね」
アホか!彼女の頭に全体重とか!
「そりゃあ重いでしょうね!離れろ!」