ナンパ男がしつこい件について
「やだよ」
「あたしもやだ」
…あ。
このやり取り久々だ。
延々と続く。…またの名を無限ループ。
「ねえ、クマノミ飼おうよ」
「やだ、海水魚は色々と調節めんどくさいし、お金その分かかるから」
えー…ニモ毎日見れると思ったのに…
「いいじゃん椋太郎お金いっぱい持ってるし」
「おいこら唯花ちゃん?」
ほっぺたを後ろから引っ張られる。
「痛い、痛いから!」
ぱっと離れるほっぺたを持っていた手。
少し赤くなった気がした。
「いたーい」
ほっぺを擦りながら歩く。