ナンパ男がしつこい件について
「…ハンカチとかそんな女子力あったっけ?」
椋太郎が手をぶんぶん振って水分をなくそうとしてる。
「ありますぅーていうか卒業式だったから濡れてるんだけどさ」
「そういうことね」
午前中、卒業式なんてした気分じゃない…
1ヶ月くらいたった気分だ。
「唯花?」
「え?何?」
「約束の見せたいところ。行く?」
あたしは何だろう、と思いながら頷く。
「ありがとうございました」
「え」
「ん?」
「で、出ちゃうの!?」
「そりゃあ、ねえ?」