ナンパ男がしつこい件について
マンションを出ると来た道とは別の道を進む。
「帰り、ここまでは送って」
「それくらいする」
客観的に見ると、手繋いでてカップル見たいに見える…?
「手、痛い」
本当に強く掴まれてる。
……無視ですか。
段々街の雰囲気が変わっていく。
キャバ孃とか、ホストとかお水商売ばかりの店が並んでる。
いやな予感がものすごい。
ナンパ男は、なぜかこっちを向く。
「なんで今日そんな格好なの?」
「学校で面接練習あったから」
素直に答えると、
「面接…ってはやくない?」
なんて言われる。
「専門学校入りたいから」
「ちゃんとしてるんだ」
そう言うと歩みを止める。
「………」
ナンパ男は、急に黙った。