ナンパ男がしつこい件について
「ただいまー」
一応部屋の鍵を閉めると、玄関に倒れこむ。
「後半俺のお姫様だっこだったのにバテすぎじゃない?」
「うるせ」
肩で息をする。
「…ありがと」
「何が」
「助けてくれて」
ぼそぼそとしか言えない。
「別に助けてはない。
大体俺のが最低だし。」
こいつの言ってること、どこから本当でどこから冗談かがわからない。
「…今さらなんで巧はあたしに金かけてまで」
「娘の成長は見たいでしょ」
「それにしたって、呼べば…」
「絶対行かないでしょ」
言い返せない…
「でもそれだけなら別に巧のとこ行けばよかったじゃん」
「嫌だった、五万であんた売るようなもんじゃん」
「………」
寝転がってるあたしを見つめる。