ナンパ男がしつこい件について
「…ねえ」
「どうかした?」
下から見てもイケメンなのかこいつ。
「手、冷たいね」
握られていた手を見る。
案の定奴の力が強すぎて痕がついてる。
「そんなに?あんたがあったかいだけでしょ」
「ううん。冷たい。」
少しだけ触れられる手のひら。
「………右手痛い?」
「別に」
ぴりぴりとはしてるけどそれほどではなかった。
「そろそろ起き上がりなよ」
むくりと起き上がる。
その時だった。
女の子が一番惚れるような甘い香り。
その香りに包まれた。