ナンパ男がしつこい件について
「ふーん」
「じゃ、俺…」
帰るって言われることはわかってた。
なぜかこのまま終わるのが嫌で
「ちょっと待って」
と止めてしまう始末。
「…?」
こいつは不思議そうにこっちを見る。
「まじで、30秒くらい待って」
急いでメモ帳を取ってペンを走らせる。
「………今日はありがとうございましたくらい書いとくか」
一通り書き終わると、『今日はありがとうございました』
なんて無機質にお礼を書いて、半分に折る。
「これ」
そのメモを奴に渡した。
「…?なにこれ」