甘い悪魔。




「…コーヒー…」




急に背後から声がした。




気配もなくあたしに近付いた和穂を驚いて見る。




いつの間に!?
影薄っ!




あたしが驚いてるのに動じず、和穂はあたしを見下ろしている。




「…コーヒー淹れろ」




それだけ言うと、和穂は作りたてのサンドイッチを一つ持って戻っていった。




あのあたし、あなたのメイドじゃないんですが?




和穂の俺様には呆れる。




呆れすぎてついお湯を淹れてしまった。




でもこいつがいるとこの家が丁度よく感じる。




この一軒家にあたし1人じゃ大きすぎるから。




和穂がいるから…




って何考えてんの!あたし!




< 29 / 145 >

この作品をシェア

pagetop