甘い悪魔。




すると急に目の前が真っ白になった。




何事かと思ってよく見ると、カーテンが閉まっていた。




あたしの背後から大きな黒い影が覆い被さっている。




和穂が閉めたのだと分かった。




「ちょっと、いきなり何す…」




和穂の方を向きながら言いかけて言葉が止まる。




その瞬間にあたしは和穂に抱き締められていた。




「お前の嘘、バレバレなんだよ」




ギュッ




和穂はあたしを抱き締める腕に力を入れた。




や、やめてよ…




これ以上優しくしないで。




これ以上あたしに甘くしないでよ。




そう思った時にはあたしは和穂の硬い胸板を力強く叩いた。




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