甘い悪魔。




「…その顔は俺の言いたいことが分かってるみてぇだな?愛羅」




だから何でこういう時にあたしの名前を呼ぶのよ。




分かるよ、あんたの考えてることなんて言われなくても。




「…そ、その薬飲ませる…つもり…でしょ?」




苦笑いをしながら、ゆっくりと後ろへ下がる。




でも和穂はそれ以上に距離を詰めてくる。




背中にソファぶつかってこれ以上下がれなくなる。




ニヤリと口角の上がった、和穂の口。




「…ただ普通には飲ませねぇぞ?」




次の瞬間、あたしの目の前は真っ暗になった。




要は和穂の手で視界を遮られたということ。




よくは分からないけど、多分そう。




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