甘い悪魔。
ドタッ
誰かが転ぶ音が聞こえた。
もう誰かなのかは分かるけど…
制服についた埃を払って、転んだ子がゆっくりとベッドを仕切ってるカーテンを開ける。
ひょこっと顔を出したのは言わずもがな、椎名さん。
いつものようにプリントを抱き締めるように、持ってやって来た。
「…あ、起こしてしまいました…?」
申し訳なさそうに眉を下げる椎名さん。
あんたが転ぶ前から起きてたから。
言いたかったけど言わずにじっと椎名さんを見つめる。
椎名さんはあたしに見つめられながらベッドに近付いて、あたしにプリントを渡した。