書くの神
それは突然やってくる⁉
朝の満員電車。
いつもの見飽きた光景だ。
これから始まる重い責務に、誰しもがため息のメーターを振り切ろうという。そう思うと、電車って凄い。これだけの刹那を無表情に運ぶんだもの。
もし列車に意思があったとしたら?
毎朝毎朝、しけたツラしてんじゃねーよ‼
とか言ったりして。
1人で含み笑いをする私は、携帯を握り直した。
正確にいうなら、読むことから、書くことへ切り替えた。
タイトルはそう…列車雑言とかどう?
指が忙しなく動き、ちょうどいい背景とスキンを設定する。
ものの三分で、一つの作品の枠組みが出来上がる。
よし、書こう。
ため息はアクビと一緒で伝染すんだよ。
俺がため息ついたら、急停車するだろ。
あ、そこのお前、ケツ触ってんじゃねーよ‼放り出すぞ‼
おいそこのガキ、走り回るんじゃねーよ‼
ここらへんで、恋愛要素を足そうかしら?
私は車内を見回した。
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