書くの神
ある作家さんは、小鳥のようだと。
小鳥が肩に乗り「書け」と囁いていると。
またある作家さんは、夏目漱石のようだと。
悠然と「書くがよろしい」と背中を押してくれるらしい。
でも私は違う。
書くの神はきっと、男だ。
それも大の甘党。だから私はお供えをする。といえば聞こえはいいが、甘いものでおびき寄せて、ひっ捕まえる。
座敷童なんて可愛いもんじゃない。
一度、逃がすと、次はいつ現れるかわからない。
ふらふらと、女の家を渡り歩く、ジゴロ気取りなのだ。
たいしてカッコいいわけでもないのに。
なんて陰口を叩くと居なくなるから、これは絶対に内緒の話。
なんとしてでも、しばらく居着いてもらわないと。
験担ぎではないけれど、私は仕事に行く前に、お供えものをする。
今日はシュークリーム。
書くの神は、和より、洋じゃないかな?
なぜかそんな気がする。
そしてヤツが必ず現れる時がある。
必ず。