書くの神
え⁉あのステキなLOVEストーリーを書く作家さんが、まさかの男子?
その逆も然り。
乾杯のグラスはもちろん、一つ余分に用意された。
この場に、来れなかった作家さんのため。
きっと彼女は、私たちには見えないだけで、ここに居るだろう。
彼女も仲間だもの。
共に戦う、同士だもの。
それから私は、もう一つ、グラスをお願いした。
「これは、あいつのです」
「あいつ?」
みんなが首を傾げる。
「あゝ、書くの神です」
私が答えると、みんなは一様に大きく頷いた。
「私の書くの神は、鳳凰みたいなの」
「私は軍服を来た三島由紀夫かな」
「俺はグラマラスなネーちゃん」
みんなそれぞれの書くの神を持っていた。
「私は、スイーツ男子かな」
恋人みたいなものかも。
あちこち姿を変えて、放浪しているんだ。
そうして、私たちを結びつける。
「かんぱーい‼」
(神)