[B L]だからスキって言ったのに

前向きに考えた結果



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───…


「あ、夏音!オマエんとこ次なにー?」


「おー、夏音じゃん!」


「あ、夏音!見ろよこれ!今朝子犬見つけてさー…。なんか夏音に似てね?」


「夏音!」



同じ部屋になってから、天野はやたらと話しかけてくるようになった。



なんだよ、何で今更仲良くしようとすんだよ。



俺は前みたいに戻ろうなんて、思わない。



だから、頼むから俺から離れろよ。



「夏ー音♪一緒に帰ろーぜ!!」



「…どっかいけ。」




俺は天野を突き放した。



すると、後ろから聞こえてくる声。



「おい、天野。オマエさ、なんか小林に嫌われてね?」


「天野はあんな奴にも優しくしてやってんのに、小林サイテーだな。」


「小林君ひどーい。」


「天野君にどっかいけとか、マジムカつくんですけど!」



ひそひそ話のつもりかよ。


はは、めっちゃ聞こえてるっつーの。



ま、嫌われたら嫌われたで、いっか。



「ほっとけ!!夏音はサイテーじゃねーし!!オマエがムカついてどーすんだよ。」


「あんた、ホンット誰にでもやさしーねー。」



天野。



オマエさ、俺のなにを知ってそんなこと言ってんだよ。



俺がサイテーじゃない?



どの口が言うんだよ。


全く。




ホンットお人好しだよな─────…。

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