[B L]だからスキって言ったのに
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───…
「…ちょっときて。」
俺は次の日の放課後、杏里…じゃなかった、津白を屋上に呼び出した。
「あ、夏音君!
その、話って…」
「分かってるんだろ?」
「…それは」
「別れよう。」
津白は、悲しそうな顔をする。
違う、そんな顔させたいんじゃない。
「…笑ってくれよ。」
「なに、言ってるの…
そんなこと、できるわけ無いでしょう!?
イヤだ、別れない…!!
わたしは夏音君のもので、夏音君はわたしのものだもん!」
「人はモノじゃないし、俺は津白のでもない。」
「名前も呼んでくれないのね…!」
「ごめん。でも、好きな奴との約束だから。」
「今更わたしは遊びだったってこと…!?」
「違う…とは言い切れない。
最初から、俺はずっと初恋にすがりついてたんだ。
ソイツとは2年もあってなくて、最近偶然再会した。
ソイツとは別れ方が最悪だったから、
昔のソイツに似てる津白に優しくする事で気を紛らわしてた。
勝手に、自己満足に津白を利用したんだ。
最低だろ?
だから、フってくれよ。」
「じゃあ最初から、わたしは恋愛対象外だったのね…
1人で盛り上がって、馬鹿みたい‥!!」
ついに、津白が泣き出してしまった。