[B L]だからスキって言ったのに
結局、結果オーライなのだろうか。
津白は、ずっと俺にされたことを忘れずに生きていくんだろうか。
そう考えると、なんだか苦しくなった。
考えてみれば、自分は2年前に天野にされたことと同じことを、津白にしたのだ。
あんな思いを、津白はするのか。
彼女が哀れになったが、別れることを訂正する気はなかった。
人を不幸にして手に入れる幸せは幸せではない
だれかがそんなことを言っていたが、
俺には、そこまでして手に入れたいものがあった。
それは、俺の幸せなんかじゃない。
『天野』だ。
隣のベッドに横たわっている姿を見ると、なんだかニヤケてしまった。
「天野」
「なんだよ。」
「…好きだ。大好きだ。
俺のになってくれて、ありがとな。」
そう言うと、天野は顔を赤くしたが、すぐにこう言った。
「夏音、オレは夏音が好きだ。大好きだ。
愛してる。
たとえ同姓でも、好きなモンはしょうがないだろ?
だから、黙ってオレと付き合ってればいいんだよ!!」
そして、ニカッと笑う。
「…うん。」
俺は頬を赤く染めながら、微笑んで頷いたのだった。