[B L]だからスキって言ったのに
ライバル
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───…
「お、夏音おはよ!!」
「あ、天野。はよ。」
俺のベッドに天野まで入ると、さすがに狭い。
しかしその窮屈さが幸せだった。
「そろそろ起きないと遅刻だな…」
「夏音は真面目だなー。
オレもっと一緒にいたいから、サボろうぜ?」
「駄目。
勉強分かんなくなるだろ。
それに、弓道の腕が鈍る。」
「ちぇ、夏音は弓道、弓道って。
オレと弓道どっちが好き!?」
「…。」
「迷うほどオレの位置低かったのかぁ…」
そうじゃない。
むしろ…
「…天野のほうが好きに決まってんだろ。」
でもコレをいったら…
「夏音ー!!
オレも大好きだ!
ってことでサボろ!!!」
…ってやっぱりそうなるよな、天野の性格上。
「だめだって言ってるだろ?
…そりゃ、俺だって離れたくないけど…」
…ってなに言ってんだ俺。
「…えぇ~~~~~…」
まだふてくされている天野に、俺は
ちゅっ
と軽くキスをした。
「…コレで我慢しろ。」
顔がとてつもなく熱い。
真っ赤なんだろうな、俺の顔。
ベッドから出て、いそいそと支度を始めた俺。
すると、急に腕をぐいっと引っ張られる。
「うわっ、天野なにす────…っん」
突然重なる唇と、絡み合う舌。
その甘美に、クラクラする。
「────…っぷは、天野そういうのは…」
「コレで我慢する!!」
そう言って、天野も支度を開始した。
俺は呆然としていたが、フッと笑ってからまた支度を再開した。