キミがすき【気まぐれ更新】
「別にいいよ、そのくらい。」
柄にもなく謙遜してしまった。アタシはそんな謙遜するようなおとなしい性格じゃないのに…
「や、でも俺財布盗られなくて本当に助かったからさ、なんかおごるよ。」
「まぢで、いいって!!アタシにおごったら、お金減るじゃん!!」
始めて会った人におごるとか優しすぎるよこの人っ…
や、アタシが助けたからなんだけどさ…
でも普通は『ありがとう』で終わるし…
「お礼はちゃんとするよ。これは、俺が勝手に使って、勝手におごるだけだから気にしなくていいよ。」
こんなに言われてるし、ココはお言葉に甘えておごってもらっていいのかな?
アタシは少し考えた。
今日はちょっと気分転換でもしようって思ってたからな〜
まぁ、社交辞令かもしんないし…
「ん〜ぢゃぁまた今度ね!!アタシ今日時間ないんだ。」
ちょっと申し訳ない気もするけど、今日はダメだ!!
今日は自分を変えたい気がするんだ!!
「じゃぁ今度ね。」
そう言って笑う彼も凄く綺麗でまた見とれそうになった。
ってあぶない、あぶない。アタシはココの駅で降りるんだから。
「うん。またね!!アタシここだから。」
そう言って、ちょうど着いた駅で降りた。
アタシは閉まるドアの外からそっと手を振った。気づくか気づかないか分からない程度に。
あ…
連絡先聞いてない!!
やっぱり社交辞令だったのかなぁ?それはそれで、ちょっと寂しいんだけどな。