キミがすき【気まぐれ更新】
授業が終わり、教室にはもう西日が射し込んでいた。
「海斗ー帰ろうぜーいっ!!」
「だから痛いって。」
相変わらずテンションの高い拓真は、いつでもどこでも背中を叩く。
正直痛い。
「なあ、海斗って彼女つくんないの?」
「はぁ?」
またいきなりだな。なぜ、いきなり恋ばなをしなければならないのだ、女子高生じゃあるまいし。
「つくんねぇよ。興味ないし。」
「興味ないって…中学んときは遊びまくってたくせに。いったい、どれだけの女の子が泣いたことか」
まぁ、たしかに遊んではいたね。あっちに女つくり、こっちにも女つくって毎日新しい女を捕まえてたね。
でも、あれは若気の至りだからしょうがない。誰にでもそんな時期あるだろうに。
「過去は過去、今は今だろ。拓真はそんなんだから彼女出来ないんだよ」
「へっへーん!!それが彼女出来たんだなぁっ♪しかも桜高のヤバく可愛い子!!」
桜高って言ったら…昨日の『れな』もたしか桜高の制服着ていたよな。
「ふーん、それは良かったね」
「反応薄っ!!」
「別に興味ないし?」
「興味持てよ。でだな、その彼女が今日校門に来ているんだよ♪」
下駄箱で靴を履き替え、外に出る。
「へー、でどの子?」
俺が指をさす方は男子校には、普通いないはずの女子がたくさんいる。
まぁ、それはしょうがないか。うちの学校は芸能科ってクラスがあって、芸能人の生徒を受け入れる体制は凄く整っている。
それに、普通科の生徒も男でも感心するくらいイケメンがそろっている。それにはもちろん、ここにいる拓真も俺も入っている。