キミがすき【気まぐれ更新】
コイツは本当にバカだ。こんなんで本当に母親になれんのかよ…。
多分絶対、子供は俺が育てることになる。この際、生まれた子供は俺の子にするか。
そうでもしないと、生まれた子供が冗談抜きで可哀想だ。
はぁ…
「…妊婦でしょ。煙草吸ったらいけないんじゃないの?」
俺を本気で、睨んでいる空花を諭すように喋る。
「…」
右手でしっかりと握り締めた煙草はもう使えそうもないので、ゴミ箱に捨てる。
チラッと空花に目をやると、珍しく目をまん丸にしていた。
まさか───
「妊婦は煙草吸ったらダメだって知らなかった!?」
ゴツッ
「アホ、そこまでバカじゃないよ。ただ、子供いるってこと一瞬わすれてた…」
「…」
もうバカとか、そういう域を通り越してあり得ない所にいるんではないでしょうか。
こんなヤツに母親になる資格が無いと思う人は、俺以外にも沢山居るはず。
とりあえず…
「お腹の子に一回謝れ。」
本当に可哀想だ。まだ名も無き空花の子供ちゃん、生まれたらいつでも俺んとこ来ていいからな。
「ゴメンね、赤ちゃん?」
空花は珍しく俺の言うことを聞き、自分のお腹を撫でながら子供に対して謝った。