キミがすき【気まぐれ更新】
ウチは母といい、姉といいふざけたヤツばかりだ。まともなのは俺しかいない。
だけど、母ちゃんも女でひとつ俺たち二人を育ててくれた。まだ俺たちが小さい頃は苦手な酒を飲んで生計を立ててくれた。
そんな母ちゃんを口には出さないけど、凄く感謝している。
空花も高校を卒業して半年は水商売をしていたけど、母ちゃんにマジギレされて母ちゃんが経営する美容室に半ば無理矢理に入れられた。
まぁ、今ではその仕事に生き甲斐というか、プライドを持っているらしいが…。
そんな家庭で育ったせいか俺は、『大事なモノは?』と聞かれると友達、お金、彼氏彼女何ていう今どきの学生が答えそうなものでなく「家族」と真っ先に答える。
空花と俺の昔がどうであれ…大変だった俺たち家族は、それだけ絆が強い。
はぁ…
俺も吸おうとしていた煙草をなおし、ベッドから立ち上がった。
「あれ、吸わないの?」
「子供がいるでしょ?」
「気にしなくていーのにー」
「気にしなさい。」
まったく、この人は…
「そだ、ご飯食べた?」
部屋から出る俺の後から、空花もついてくる。
「今からだけど?」
俺が答えると、空花がニッコリ笑って「作ったから、一緒にたべるぞ。ありがたく思え!!」と威張っていた。
おぉー、珍しいっ。いつもなら「腹減った、ご飯作りやがれ。」なのに。
「花嫁修業?」
「普通だっつの。」
イヤイヤイヤ、普通の人だったら普通だけどアナタだから普通じゃないんですよ。
まぁ、コレが何日続くことやら…