キミがすき【気まぐれ更新】



海斗くん。



うん、イイ♪



手に持って、操作中の携帯で昨日もらったばかりの番号に電話をしようとした時、数歩先に見覚えのある人物が歩いていた。



小走りで、前を行くその人まで近づき少し控えめに声をかける。



「海斗くん?」



呼ばれた海斗くんは、ゆっくりと後ろを振り返った。


「あ…麗奈、ちゃん。」



あ、今また「ちゃん」付け足した。普段アタシの事を呼び捨てにしている証拠だね。



「麗奈でいいよ。ちゃんとかキャラじゃないし。」



「ああ、うん。」



さっき、カラオケで「馴れ馴れしく、呼び捨てにしてんじゃねえよ。」と言ったくせに、今度は自分から呼び捨てで良いと言っている。



本当にアタシってヤツは、ワガママというか自分勝手というか…気分屋だ。



「こんなとこでって…空花ちゃんの店か。仲良いんだね?」



ここは、空花ちゃんの店の近くの大通り。さっきまで学校にいた海斗が家と反対方向のここにいるのは、だいたいそおいった理由だろう。



「あんまり。普通だと思うよ。」



「ふーん。」



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