キミがすき【気まぐれ更新】
「てゆ〜か、お兄サンもボケってしすぎ!!あんなんじゃ、『どうぞご自由にお取りください』って言ってるようなもんだよ〜?麗奈(レナ)がいなかったら絶対に財布盗られてたよ。」
女の子が頬を少し膨らませる。
見た目と違ってかなりしっかりした子なんだ。俺と正反対で。
──れな…か。
俺の頭のなかに『れな』という女の子の名前と顔が素早くインプットされた。
「そうだね、ありがとう」
俺はこうみえて人見知りをするらしい、でもこの子には普通に微笑むことが出来た。
気のせいか、女の子の顔がほんのり赤くなったようだった。
「別にいいよ、そのくらい。」
「や、でも俺財布盗られなくて本当に助かったからさ、なんかおごるよ。」
「まじで、いいって!!アタシにおごったら、お金減るじゃん!!」
そんなに拒否らなくても…。
でも、
「お礼はちゃんとするよ。これは、俺が勝手に使って、勝手におごるだけだから気にしなくていいよ。」
そう、これは俺の勝手。
なんだか女の子に助けられて、そのままなんて男としてダメな気が…。
それに…
この子とは、もっと一緒にいたい…って思ったんだ。