俺様王子とキケンな契約!?
「────芽衣っ!!」
あたしの方にボールが飛んできて……
既に地面につきそうなぐらいで…!
あたしは滑り込むようにレシーブした瞬間……右手に痛みを覚えた。
なんとか空中に上がったボールは他の皆によって拾われ、理沙が点をいれてくれた。
「────終了です。よって、A組の勝ち!」
きゃー!!と叫ぶみんな。
笑顔で駆け寄ってきた理沙はあたしに抱きついた。
「芽衣〜!!ナイスだったよ!!……芽衣?」
右手が痛くて手を回せなかった。
「……ん?どうしたの。次の試合……」
すると、理沙はあたしの右手を手にとった。
「人差し指と中指、腫れてる。もしかしてさっきの?」
心配そうに見つめる理沙。
「あー、大丈夫だよこれぐらい!ぼーっとしてたあたしが悪いしさっ!」
「保健室、行ってきな。どーせまた白馬の王子のこと考えてたんでしょ?
これ以上怪我したら危ない…ほら、後はあたしたちで頑張るから!」
理沙には見破られていたみたい。
「……ごめんね、ありがと。」
そう言うとあたしは保健室に向かった。