俺様王子とキケンな契約!?
◆My Prince4
■二人っきりの……
しとしとと雨が降り続く今日この頃。
世間一般で言う、梅雨の季節だ。
そんなジメジメとした気候は嫌いなのに
この時間だけは何だか嬉しくなってしまう。
「そこはXに代入して……」
「…え、と…3を…」
「うん。違う。そこは分数で……」
「……ごめんなさい。わかりません」
只今、図書室。
なぜか付きっ切りで零士くんに数学を教えてもらっている。
遡ること、3週間前────
球技大会の日、零士くんにもっと近づきたいなと思って勇気を出して言った
『……あたしにっ…教えてください。』
『……うん。いいよ。』
その瞬間、心の中でガッツポーズしたものの……違ったらしい。
この発言に零士くんは勘違いしたのかあたしが勉強を教えて欲しいと言っていると思ったらしい。