俺様王子とキケンな契約!?
顔をあげると濡れた茶色髪をわしゃわしゃとタオルでふく神矢くんの姿。
無駄にドキドキしてしまいあたしは俯いた。
「う、うん。……放課後零士くんに教えてもらっててさ」
またペンを走らせると隣に神矢くんが座った。
「……零士って、アイツ?」
何だかいつもより不機嫌で低い声に身体が少し震えた。
「…アイツって、一条くんだけど。」
そう言うと、神矢くんは一瞬目を細めたけど何やら吹き出すように笑った。
「ぶっ、お前あんなヤツに教えてもらってんのか。…ってかな、ほいほい男について行くなつっただろ。また何かされたら……」
「れ、零士くんは他の男の人とは違うもんっ!!…それに零士くんのことあんなヤツ呼ばわりしないでよねっ!」
あたしは叫ぶようにそう言うと、神矢くんはまた笑い出した。