俺様王子とキケンな契約!?
「何そんなムキになってんだよ、アホかお前は。」
小馬鹿にするように神矢くんはあたしの頭をポンポン叩いた。
「アホじゃないしっ!そ、そりゃムキなるよっ!だ、だって零士くんのこと────っ!」
そこまで言ってあたしは慌てて口を塞いだ。
すると、神矢くんは顔を顰めた。
「…お前アイツのこと好きなわけ?」
そう言われあたしの身体は素直にビクッと反応した。
「……か、神矢くんには…か、関係ないよっ!」
「あぁ、関係ねぇーよ。
……でもな、アイツはやめとけ。」
そう確かに、神矢くんは静かに言った。
「……やめとけ、?」
不思議そうに言うあたしに神矢くんはまた口を開いた。
「お前、アイツのこと知ってんのかよ。
アイツはお前が思ってるようなヤツじゃねぇよ。……悪いこと言わねぇからアイツはやめとけ」
少し切なさを含んだ神矢くんの横顔は脳裏に焼き付いた。