俺様王子とキケンな契約!?
「顔、真っ赤」
そう言って、どんどん顔を近づけてくる零士くん。
「……れ、零士くんって意外とイジワルなんだね」
こんなに顔近づけられたら顔真っ赤になることぐらいわかるでしょ?
恥ずかしいよ………
「何でだろ。構ってあげたくなるから、かな。」
すると、零士くんは目を細めてあたしの頬に触れた。
その綺麗な指先が頬を確かめるたびドキドキする。
「…男にさ、あんま綺麗とか言っちゃだめだよ」
そう、耳元で囁いた零士くんは妖艶な笑みを浮かべてゆっくりとあたしから離れた。
「来週の日曜日。13時駅前の時計広場。」
零士くんはそう言い残すと、図書室から出て行った。
ねぇ、期待してもいいですか?
誰だってあんなこと言われたら、されたら勘違いしちゃう。
でも────あたしは期待しちゃうんだ。
誰もいない静かな図書室にあたしの胸の鼓動だけがドキドキなり続けた。