俺様王子とキケンな契約!?
何でこんなところに来ていることなんてオレが知りたい。
ただ、勝手に足が動いていた。
『……放課後零士くんに教えてもらっててさ』
図書室しかないと思ってここまで来た。
そーっと図書室のドアを開けるとそこはシーンと静まり返っていた。
なんだ、いねぇのかよ。
図書室から出ようとしたそのとき、奥の方から声がした。
「…で、出来たよっ!出来たあ〜!」
「おっ、あってるじゃん。」
目に飛び込んだ光景にオレは思わず目を背けた。
アイツ、一条が芽衣の頭を撫でてお互い笑い合っていた。
その距離とそこに漂う雰囲気はただの友達には見えなかった。
「零士くん!やったよっ!」
嬉しそうな顔をしてその笑顔をアイツに向けていた。
ってか、零士くんって何だよ。
この前まで“一条くん”つってただろ。
「……っ、ムカつく」
気づけばそんな声を漏らしていた。