俺様王子とキケンな契約!?
「……大丈夫?…お嬢さん」
あたしの目の前に伸びる綺麗な手。
顔をあげるとそこには……
「……零士、くん」
手を差し出す零士くんは呆れたように笑っていた。
「ほらっ、」
そう言って、零士くんはあたしの腕を引いた。
「あ、ありがと……ごめんね」
「遅いから心配した。そんなに走ってこなくてよかったのに」
「……だ、だって…女の子たちが…!」
あたしが言うと、零士くん艶っぽい笑みを浮かべた。
「へぇ〜、妬いたんだ?」
なんて、そんな端整な顔で言われるからあたしは真っ赤になってしまった。
「えっ、あの…っ」
「……ほら、行くよっ」
零士くんはそう言うと、あたしの手を優しく包んで歩き始めた。