俺様王子とキケンな契約!?
「…ちょ、ちょっと…手、」
すると、零士くんは振り返って立ち止まった。
「こうしたら、もう転けないでしょ。……それと、ただ俺が繋ぎたいだけ」
─────っ!!
照れたように笑う零士くん。
そんな風に笑われたらもう拒めない。
でも、本当は……嬉しい。
「……可愛いよ。そのワンピース、似合ってる。」
この人はどこまで女の子を褒めるのが上手いんだろうか。
不意打ちズルいよ……。
「れ、零士くんだって…かっこいいもん」
小さな声で呟くと繋がれている手に少し力が入った。
「…あんまり可愛いこと言うな」
零士くんはそう言うと背を向けて歩き出した。
そんな零士くんだったけどあたしに合わせて歩幅を合わせてくれたり、あたしが車道側にならないように歩いてくれた。
そういうとこがいちいちかっこいい。