俺様王子とキケンな契約!?
後ろから低く、冷ややかな声がした。
「あぁ?テメェ何だよ」
そこにいたのは…零士くん。
零士くんは怒りに狂ったような表情だった。
「…だから、汚い手で触んじゃねぇよ」
ドスの効いた低い声で震えた男はあたしの腕を離した。
「っ、男いたのかよ……ッチ」
男たちはぞろぞろと逃げて行った。
「……零士くん、ありが────……」
ガランゴロン────
缶ジュースが落ちる音がした。
気づいたときには何故かあたしは零士くんの胸の中にいた。
腰にまわる腕が熱い。
「……零士く、ん?」
どうしたんだろう、と顔をあげようとしたけど零士くんが強く抱きしめるから出来なかった。
「……ったく、すげぇ心配した。」
耳元から聞こえてくるいつもの優しい声。
「……一人にしてごめん。もう一人にしないから離れんな」
でも、少しその声が震えているようにも聞こえた。