俺様王子とキケンな契約!?
そのまま何事もなかったかのように振り返ると零士くんは不思議な顔をしてあたしを見つめていた。
「零士くんっ、ちょっと!」
たとえ零士くんでもバレたらマズイ。
あたしが零士くんの手を引っ張った
その瞬間────
「……朝帰りはしなかったんだ」
悪魔の囁きとも言える声が後ろから聞こえた。
振り返らなくてもわかる。
この声の持ち主は誰かぐらい。
零士くんは少し驚いたかのような表情をしている。
「……芽衣ちゃん、何で聖がここに?」
「い、いや、何でかな…?」
とぼけた振りして言うと後ろから手を引かれた。
「何でってそんなの一つしかねぇだろ。オレとコイツ、同居してんの。」
────!!?
ここは何とか誤魔化してくれるんじゃないかって思ってたのに!
「…ちょっ!神矢くん何で……!」
「…好きなヤツに嘘ついていいの?」
なんて、耳元で囁くからあたしは何も言えなくなった。
そんな姿はもはや悪魔にしか見えない。