俺様王子とキケンな契約!?
「……へぇ、芽衣ちゃんと聖が?」
そんな零士くんは少し怪訝な表情をしていた。
「まぁ、色々事情があってな!…じゃあオレら帰るんで。」
神矢くんはそう言うとあたしの肩を抱いて連れて行った。
最後に零士くんと目があった。
でも、その目は冷ややかで切なそうだった。
ああ……嫌われた。
エントランスホールに入り、あたしは神矢くんの腕を払った。
「何でいたの!?鍵持ってるんでしょ?」
詰め寄るように言うと神矢くんはへへっと笑った。
「鍵、忘れた〜。だから待ってた。」
「…っ、だからってわざわざ同居してること言わなくていいでしょ?」
契約違反だよ……契約違反っ!!
「アイツは言いふらしたりしねぇよ。」
「だから、そうじゃなくて!────……っ!」
全く身動きが取れなくなったのは
神矢くんがあたしの身体を壁に押し付け腕を掴んでいるからだった。