俺様王子とキケンな契約!?
◇My Prince5

■意識なんてしてないっ!





「……ぶっ、き、キスされたぁ!?」



「ちょ、理沙声大きいっ!!」



トントンと体育館に響くバスケットボールの音。

そんな音の中、はっきり聞こえる声で理沙は目を丸くして言った。



今の時間は体育でネットの向こうでは男子がバスケをしている。


女子も同じくバスケなんだけどさっきから理沙がうるさくて練習にならない。



「おい、そこ!サボるな!!」



体育の鬼教師が竹刀みたいなものを突き出しあたしたちに向かって怒鳴った。



も〜何回目よ……。



「え?え?……一条くんとデートだって言ってたじゃない!何で黒王子が出てくんのよ!」


そう言ってあたしに詰め寄る理沙。



「そ、そうなんだけど……零士くんに神矢くんと同居してるのバレて……」



ミドルから打ったシュートは見事リングに当たり跳ね返った。



「それで何でキスされんのよ?」


同じく理沙もミドルからシュートを打った。
しかし、あたしとは違ってそのボールは角に当たり綺麗に入った。




「わかんないけど……あたしがムカつくって。お前といるとおかしくなるって言われた。…そんなに嫌われてたんだよね」


また打ったシュートはリングに当たるどころか届かず床に落ちた。




「へぇ〜それで黒王子キスしたんだ。」


なんて、理沙は納得した表情で笑った。






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