俺様王子とキケンな契約!?
「……え?何かわかるの?」
すると、理沙はあたしの顔をまじまじと見つめた。
「あたしもね、芽衣たまにムカつくのよねぇ〜あたし黒王子と話合うかも」
なんて言った理沙が放ったボールは綺麗に弧を描いてリングに吸い込まれて行った。
スパッと気持ちいいぐらいの音を立ててボールは床に落ちた。
ボーッと突っ立っているあたしに理沙はふっと笑って
「八方美人って言うか…なんかムカつくのよね。鈍感で何もわかってないし。そのくせ気は強いしね。」
理沙は言うとまたシュートを打ち始めた。
「い、意味があんまりわかんないんだけど……」
「だ〜から!自分の胸に聞いてみたら?」
理沙はあたしの唇に人差し指を置いた。
自分の胸に聞く?
何を?
隣のコートでは男子たちが試合を始めていた。
慣れた手つきでボールを操る零士くんが目に入った。
バスケも得意なんだ……。