俺様王子とキケンな契約!?
そう思いながらも目の前にあるオムライスが食べたくて……
「あ、あの……隣いいですか」
何で敬語なんだろ…ガチガチになった口からはそれしか出てこなかった。
神矢くんは気だるそうにあたしを見ると少しニヤッと微笑んだ。
「……イヤ、って言ったら?」
イヤ?そんな言葉来ると思ってなかったからレパートリーがない。
バカにしてるのかクスクスと笑っている神矢くん。
「……じゃ、いいですっ!違うとこで────……きゃっ」
そのとき、いきなり腕を引っ張られてオムライスのトレーごと神矢くんの胸にダイブした。
「……っ、お前」
下から聞こえる低い声。
何が起こったのか一瞬わからなくて……
「ぶっ、お前ら何やってんの」
相馬くんの笑う声が聞こえて下を見ると
……オムライス?
がグチャグチャになってる!?
最悪だあ……
じゃなくて、神矢くんの制服にべっとりとオムライスがついてあたしも神矢くんの上に座っていた?
「きゃぁー!ごめ、ごめんなさいっ」
あたしは慌てて神矢くんから退いた。
すると、薄ら笑いを浮かべた神矢くん。
「テメェ、オムライス残念だったなんて思ってんじゃねぇだろうな?」
口は笑っているのに目は全く笑っていない。
そして、その言葉に図星なあたしは何も言えない。