俺様王子とキケンな契約!?
その甘い言葉は鼓膜を擽った。
不敵に微笑む神矢くんとは裏腹、あたしの鼓動はドキドキが止まらない。
いつもは芽衣、なんて言わないじゃん。
こんなときだけなんて…ズルいよ。
「黙ってる、つーことは好きなの?オレのこと。」
────っ!!
いつもとはどこか違う顔。
いつものようなイジワルな顔でもなくバカにしてる風でもなく……
まるで……彼女にしか見せないような甘い顔。
こんな神矢くん見たことないよ。
ずっと黙っていると神矢くんはグッと顔を近づけあたしの額に手を置いた。
「お前さ、やっぱり熱あんじゃねぇの?」
────ドキッ!
「な、ないよ!ないよ!ないからっ!!」
あたしは慌てて神矢くんの手を振り払う。
「じゃ、何でそんな顔真っ赤なわけ?…フッ、やっぱり意識してんの?」
優位にたった神矢くんはイジワルく言った。