俺様王子とキケンな契約!?



「……神矢くんっ、」


「お前はお前。オレはオレだ。心配すんな。」



あたしに気を使わせまいと神矢くんはまた微笑んだ。

それが逆にあたしの胸に突き刺さる。




「あの、神矢くん……」



「……ん?」




言いたいことも分からない、定まらないのにあたしは引き止めて何をしたいんだろ。


ずっと、俯いて黙っていると神矢くんはあたしの顔を覗き込むようにして見つめてきた。



「何、やっぱりオレと一緒に風呂入りたい?」


いつものようにニヤリ、と微笑む神矢くん。



「…っなわけ…ないでしょ!」



強気で睨み返すと神矢くんは満足そうにまた笑ってリビングから出て行った。



神矢くんは冗談言って気を紛らわしてくれたのかもしれない。


でも、今はそんな冗談があたしには物凄くありがたかった。








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