俺様王子とキケンな契約!?
そして、ハルさんはこの後仕事らしくて急いで帰って行った。
「ったく、あのヤロー。脅かしやがって。」
ハルさんが帰って安堵しているのか、神矢くんは力が抜けたようにソファーに座った。
「でも、ハルさんいい人だったねぇ。神矢くんのこと心配して…本当のお兄さんみたいだった。」
「オレはあんな兄貴はごめんだ。」
なんて、言っちゃって。
わかるよ、何となく。
神矢くん、ハルさんのこと慕ってるって。
好きなんだ、って何となく伝わって来た。
また、こんなこと言うと怒るから言わないけど…神矢くんって結構可愛いトコあるよね。
思わず笑みが零れた。
ハルさんが飲んだお茶のコップを片付けようと立ち上がると、神矢くんに手を掴まれソファーに引き寄せられた。
「……何でそんなに笑顔なわけ?」
いきなり引き寄せられたことで頭が真っ白だったのにもかかわらず、神矢くんとの距離が近いことでもっとパニックになった。
「笑顔ってそんな……」