俺様王子とキケンな契約!?
振り返らなくても分かる。
誰、かなんて。
オレが一番聞きたくない声だ。
─────『 一条零士』
「…言ったろ、この前。アイツと同居してるって。」
そのまま無視して教室を出て行くのがいいなんて、わかってる。
でもそのまま出て行くと『また負ける』ことになると思ってオレは逃げなかった。
「正直、ビックリしてる。あの聖が芽衣ちゃんと同居なんて。」
下を向いて余裕そうに微笑むコイツにオレはギュッと拳を握りしめた。
「何で同居してるか、知りたくねぇの?」
いつも、コイツがオレより優位に立っていることに腹が立つ。
「……知りたい、って言ったら教えてくれるの?…いつも聖はそうだよね。焦らすくせに何も教えてくれない。」
今度はちゃんと顔をあげて、フッと笑った。
何も言い返せず黙っていると、零士は口を開いた。