俺様王子とキケンな契約!?
その瞬間、神矢くんの顔色が変わるのがわかった。
「聖くん…ごめん。来ちゃった。」
「……恵令奈」
……えれな。
どこかで聞いたような名前に胸騒ぎを覚えた。
恵令奈と呼ばれる女の子は、綺麗な黒髪。
ゆるく毛先だけ巻かれていて目元はぱっちりで澄んだ瞳。
スラッと背が高くて清楚なモデルみたいな女の子だ。
「話があって……ちょっといい?」
すると、神矢くんは席を立った。
「悪りぃ、オレちょっと抜けるわ。」
「ちょっと!待ちなさいよっ神矢っ!あんたあたしの付き合いを断ろーってゆうの!?ふざけんなっつーの!」
両隣りに男の子たちを固めた理沙は酔っ払いのおっさんかのように訴えた。
「慶樹っ、後は頼む」
神矢くんはそれだけ言い残して店を出て行ってしまった。
あの女の子誰なんだろ……
そう思ったことを見透かしたように、慶樹くんは口を開いた。