俺様王子とキケンな契約!?
「……気になる?」
いつの間にか、隣にやってきた慶樹くんがそう呟いた。
「……いや、あたしは別に……」
「あの子、確か…この前合コンしたときに聖と二人で抜け出した子なんだよね…」
合コン……二人で抜け出した……
なぜか、胸がキューっと痛くなる。
「あの後何があったか聞いても教えてくんねぇの。…もしかしたら、あの子と付き合ってたりして」
神矢くんが…あの子と。
「実はさ、あの子似てるんだよね…昔、聖が好きだった女に。なーんだ、最近女の子連れてるとこ見ねぇと思ってたらそーゆうことか。」
そ、そっか。
女遊びをやめたのは、あたしが言ったからじゃなかったんだ。
あの子と……付き合ってたから。
「アイツさ、一人の女に裏切られてからずっとどこか荒んでたんだよな。だから、本気で付き合ってる子いてさ、オレ何か嬉しい。」
ホッとするように、笑う慶樹くん。
本当に神矢くんが好きなんだ。
「そ、そっか〜よかった!神矢くん、本当に大切な人が出来てよかったねっ!」
どうしよ…
何でこんなにも泣きそうなんだろ。