俺様王子とキケンな契約!?
「アイツはさ…もっと前から知ってたんだろうな。芽衣ちゃんの可愛いとこ。」
……アイツ?
「……泣いていた理由は…聖?アイツのせいだろ。」
零士くんにそう言われ、あたしはビクッと身体が震えた。
「アイツは昔っから女の子泣かすのがうまいヤツだから……でも、許してやって。」
零士くんは優しくあたしを離した。
「芽衣ちゃんは、泣き顔より笑顔の方がいいよ。……じゃあ、俺は生徒会の用があるから…」
零士くんはあたしの頭をポンポンと撫でて、行ってしまった。
まだ、抱きしめられていたドキドキが止まらない。
もしかしたら零士くん。
あたしを笑顔にさせるため、劇を見に連れたりクレープ屋さんに連れて行ってくれたのかな……
「やっぱり…ズルいよ、零士くん。」
あたしは嬉しくて涙が止まらなかった。