俺様王子とキケンな契約!?
その声に振り返ったら、ギュッと手を握りしめられた。
「ノロマなおちびちゃんが転んだりしたら危ねぇだろ?」
なんて、笑う神矢くん。
そんな笑みに、少しドキッとする。
「なっ、ノロマなおちびじゃ…!」
「ほら、帰んぞ。…今日は特別、オレが手料理作ってやるよ。」
「…え?…本当!?」
「おう。ちゃんと食べさせてやるからな?姫?」
ニヤリと神矢くんは微笑む。
……嫌な予感しかしないんだけど
でも、神矢くんの手料理楽しみだな。
彼女のことは気になるけど、聞けない。
もし、聞いてそれが本当なら…あたしちゃんと祝福できるのかな……ちゃんと笑えるのかな……
こんなのダメだってわかってるけど、今だけ。
あたしは神矢くんの手をギュッと握った。
すると、神矢くんもギュッと強く握り返してくれた。
そして、微笑んでくる神矢くん。
そんなことに一々ドキドキして
幸せだなって、このとき思ったんだ。
でも、あたしはまだ知らなかった。
誰かがあたしたちのことを陰で見ていたなんて─────。